聖天さんの浴油供をし始めた時のことです。
浴油供というの、は秘仏の仏像に温めた胡麻油をご真言を唱えながら何百回も掛けて、願いが叶いますようにと祈る祈祷です。
秘仏なので、私しか見れません。
温度は人肌くらいに調整します。
浴油供を始めた頃は、油の温度が適温になったか?どうだろうかとばかり気にしていました。
なぜなら、熱すぎると聖天さんがお怒りになって、拝む側が火傷をする。温もりきっていなければ風邪を引くという一説があるからです。
調理用の油用の温度計を買ったこともあります(笑)
それも聖天さんは怒ると恐い方だとの認識が広まっているからです。
あるとき、聖天さんのご祈祷をされてる先輩から、心配やったら油の中に指を突っ込んだらいいねん!って言われました。
え!?聖天さんの油に指を突っ込む!?
そんなアホな!?って思いましたが、
続けて言われましたのは、聖天さんを想ってのことや。適正温度を知るためにさせてもらえと。
恐い、恐い、との気持ちが先行していた私には、その先輩の聖天さんへの想いがその時には理解できませんでした。
聖天さんラブや!といつも言ってはります。
私も聖天さんラブです!!!
でも私は指を突っ込むことはできませんでしたが、杓で油を一すくいし、手に乗せました。
なんと、、、、、!!
乗せた瞬間の温度を感じませんでした。
ん??あれ??何コレ!?
めっちゃ気持ちいい、、、、
杓から手のひらに油を垂らした時は、手のひらに柔らかくマッサージするような当たる感覚。そしてその時は温度を感じない。
でもその後からじ〜んわりとあったかーい感じ。
油のヌメリが伴って、手を包み込むような感じでした。
アーユルベーダみたいだと思いました。
まさにアーユルベーダのご供養なんだと感じました。
命を洗い流してくれる。整えてくれる。そんな意味があるのかなと。拝む行者も、祈願者も一緒にご供養されるのです。神道では罪穢れを払うという言葉があるように、我々の心に溜まった煩悩という垢を洗い流してくれるのです。
そして、あぁ、油の温度はちゃんとできてたんだと確信しました。
お師匠様が仰っていたのは、大事なことは聖天さんが教えてくれる!と。
ちょっと触ってみーや!と先輩の口を通じて教えてくれたのかもしれません。
神仏との関係も、人間関係と同じように信頼があってこそだと思います。
信頼関係を築くには、恐い恐いって、ブロックばかりしていては信頼してもらえませんよね。
ちゃんと手を合わせていれば必ず大事な事を教えてくれます。
当山ではご祈祷をお申し込みのかたの祈願が叶うよう、祈ります。ですので、お家で僅かな時間でもお札やお守り、お寺の方に向いてお手を合わせてお祈りすれば、叶う秘決を教えてくださると思います。
聖天さんは祈願の方の側近くにきて守ってくださる守護神さんだからです。
そんな良い情報をキャッチできるかは、お手を合わすかどうかによります。お手を合わすことは聖天さんと繋がる方法と言えます。