安産祈願をされた方のお話です。
その方は、二人目の出産でした。
一人目は帝王切開でしたので通常は二人目も帝王切開となるのですが、その方はどうしても普通分娩にて出産したいという思いから二人目でも普通分娩を応援してくれる産婦人科を探し出しました。通称Vバックと呼ばれるそうです。
Vバックの出産は一人目で子宮を切っているのでイキむ力で子宮破裂する危険性を伴う出産となります。破裂はするは、緊急帝王切開をしてお腹の傷も大きくなってしまうはと、母体のリスクがとても大きい分娩方法ですが、どうしてもという強い思いで決めたそうです。
安産祈願には、本尊様のお札とお守りを授与しました。特に安産の霊符を出しました。
安産の霊符も数種ありますが、祈願者さんにとってこれが良いというものを選び、3枚用意しました。2枚は授与したお札とお守りに、そしてもう1枚は本堂に安置をして予定日まで日々に祈願をさせていただくものです。
強い意志で決めたといえども、やはり不安になる時もあります。出産前日に破水した時から、今までカバンにつけていたお守りを握りしめ歓喜天の真言を心の中で唱えていたそうです。実際、そうすることで不安が和らいだそうです。
不安と安心の攻防です。不安になっては、強く握りしめ大丈夫だって思い、また不安になっては。。。の繰り返し。。。。
しかし出産の時に向かうにつれ、そんな余裕すら無くなったそうです。
ただ生まれてくる赤ちゃんが元気に生まれるためにというそのきもちでいっぱいで、その想いがが強くなればなるほど、不安を考えることもなくなったそうです。
そして無事に普通分娩で元気な女の子をご出産されました。
産後直後に担当医に言われたそうです。あと1回イキんだら破裂していただろうと。それくらいギリギリの出産だったそうです。
それを聞いて、意の一番に歓喜天さんが守ってくれた、と実感したそうです。
母親の赤ちゃんへの愛情に勝るものはないと感じます。
そこには私利私欲も忖度もなく、無私無欲の愛情です。
その無我夢中でひたすら生まれてくる子に愛情を向けて頑張ったところに、本尊歓喜天が感応したのでしょう。
母親として、どうしても普通分娩を経験したかった、上の子の相手もしっかりしてあげたいからお腹を切って動けなくなるのへ避けたい、それらの想いが歓喜天へ通じた証だと思います。
歓喜天のご守護は本当に不思議です。歓喜天は随身守護というご誓願があります。雲の上ではなく、その人の側で守護する、という事です。分娩の時も立ち合ってくれていたことでしょう。
聖天尊の女天さんは、ゾウさんではなく猪の顔の聖天さんもおられます。猪は多産の象徴です。ご祈願の祈りの最中に猪が走ってくる映像と、ウリ坊に囲まれる母親の猪の映像を見せてくれました。実に不思議なご祈願でした。
当山の安産祈願は、特別な霊符を合わせて授与しています。
https://sgfm.jp/f/3fe986f65b7f2ae90a4460ee9b0b9d84